互換パッチで対処するのは、2つのプラグインだけの競合時とは限りません。むしろ複数で多重競合してることの方が多いです。基本的には2つの時と同じなのですが、パッチに対する認識が間違っていると、トラブルになる可能性があります。
今回はBetter Item SortingとUnofficial Fallout 4 Patchに加え、アルコール類の銘柄とグラフィックを変更するBranded Alcoholによる多重競合に対処する互換パッチを作ります。
FO4Editの操作はできる前提で進めます。
互換パッチの意味自体がよくわからない人は、こちらもどうぞ。
- 3つのMODの競合状態を確認
- 互換パッチ同士の競合
- UFO4とBISとBranded Alcohlの相互互換パッチを作成
- (おまけ1)Have a Beerも互換パッチに組込む
- (おまけ2)公開されてる互換パッチ同士の競合例
3つのMODの競合状態を確認
前回は2つのMODを共存させる為のパッチを作りましたが、今回は3つの競合が発生しています。IngestibleカテゴリのWine(000366C2
)を見ていきます。
Hide no conflict rowsしてWineを確認。見ての通り、三つ巴の競合状態です。
名前が3種類有ります。3つ共それぞれがバラバラに付けている状態です。
それ以外はUF4Pによる変更で、ボトルを拾った時と捨てた時の音が追加されており、液体入りボトル感な音に変更されています(こういうのはバニラできっちり直して欲しいですね・・・)
一番下の"180"は、フィルタしてると何のことやら意味が解らないのですが・・・
Hide no conflict rowsを外してから確認すると判読できます。バニラでは効果時間0になっているエフェクトに対し、効果時間を設定しています。
効果は追っていけば判りますが、一定条件下で運が+1されるようです。
フィルタしてると値そのものしか見えず、意味が読めない場合もあります。そういう時は、今回のように一度外してから再チェックすればOKです。
とまあ、一見するとグチャグチャに競合してるように見えます。
互換パッチ同士の競合
改めまして今回は、
- Better Item Sorting
- Unofficial Fallout 4 Patch
- Branded Alcohol
この3つのMODを共存させたい訳ですが、
・BISとUF4Pの互換パッチ
・BISとBlandedAlcoholの互換パッチ
この2つを作成して両方使えば、うまく3つのMODが共存してくれるような気がしないでしょうか?
いやいや、
・UF4PとBlandedAlcohlの互換パッチ
これが足りないから3つ無いとダメだよ!と思った人も居るかもしれません。はたして、こういう形で複数の互換パッチの同時使用というのはアリなんでしょうか?
結論から言うと・・・ナシです。
複数の互換パッチを導入しても競合の解消はできません。以前の記事にも書いている、プラグインのルールを考えてみると、わかるかと思います。
以下で説明するので、多少あやふやでも大丈夫です。
BISとUF4Pの競合対策
まずはこの2つの互換パッチを試してみます。
内容的にはBISとAEの互換パッチ作成と同じなので、復習程度に流します。
UF4PのIngestibleは真っ赤になってます。
まずesp版BISから。SSのようなロードオーダーだとBISが競合Winnerとなる為、UF4Pの変更は全部潰されます。
ボトルを拾ったり捨てたりした際の水音と、条件下で運+1が180秒続く変更が無効になってしまいます。
STRINGS版BISだと逆になります。ボトルの音と追加効果は有効ですが、BISのタグが潰れています。
では互換パッチを作ります。
BISの目的は「名前をタグ付きにする」ことだけなので、UF4PのレコードにBISの名前だけ合体させればOK。STRINGS版でもesp版どちらも同じです。
UF4PとBranded Alcoholの競合対策
次いきます。こちらもBISと同様で、Branded Alcoholは名称を実在の物に変更しています。あとは一部のリモデルとリテクスチャで、他のesp変更は有りません。
なのでBISの互換パッチとやることは同じで、UF4Pのレコードに名前だけを合体。
2つの互換パッチを同時にロードしたら?
さて、こうして出来た2つの互換パッチを同時にロードしたら、どうなるでしょう?
こうなります。ちょっと横長ですが、拡大すれば読めると思います。一言で言うと、互換パッチ同士が競合しています。
前回も書いてますが、複数のプラグインによる同一オブジェクトの変更は、ロードオーダー最後のレコードだけが有効となり、残りは全て潰されます。
したがってこの場合は、
- BISのタグ付き名称
- Branded Alcoholの変更名称
この2つが、互いに同じレコードを食い合う形になってしまいました。この状態でゲームを起動すると、Branded Alcoholによる変更が優先されているものの、残念ながらタグは付いていません。
これはつまり、
ダウンロードした互換パッチ同士が競合して、正しく動かない
というケースも有り得る、ということです。
UFO4とBISとBranded Alcohlの相互互換パッチを作成
以上から、複数の互換パッチを用意しても、3つのMODの共存は不可能です。したがって、
必要なレコード全てを1つのパッチで変更する
以外に手がありません。
よって、BIS、UF4P、Branded Alcoholの、3つに対応した互換パッチが必要です。
各MODが変更したいレコードを確認
今回のパッチは、単に隣のレコードをコピペするだけでは作れません。こういうケースもあるんです。
まずは、
それぞれのMODは何を変更したいのか?
を考えます。
espで変更したい内容は、次の通り。
- UF4Pは、ボトルの音と運+の効果時間を追加したい
- Branded Alcoholは、名前を変更したい
- BISは、名前にタグをつけたい
やりたいこと自体は、かぶってないですよね。よって、この三者の折り合いを1つの互換パッチで解決します。
- ベースはUF4Pのレコード
- 名前そのものはBranded Alcoholの名称
- Branded Alcoholの名称にBISのタグをつける
とすればいいんです。これで3種共存可能。
ゲーム内での動作確認
Branded Alcoholの名前にBISのタグが付き、音等の変更も反映されました!
ちなみにこのワイン、1本3万円位するみたいですね・・・w 現代ではコーラのキャップで手に入れるのは難しそうです。
(おまけ1)Have a Beerも互換パッチに組込む
飲むアニメーションを追加するHave a Beer - Animated Drinkingも、互換パッチに追加してみました(細かいので拡大してください)。
基本的なスタンスは同じです。最後のWine.espにおいて、必要なレコードを全て拾い上げてあります。
以上で今回は終了です。互換パッチマスターになれば、使えるMODの数がより広がって楽しくなります!
(おまけ2)公開されてる互換パッチ同士の競合例
プレイヤキャラが状況に応じて様々なリアクションをしてくれる、Player Comments and Head Tracking。作者さんが互換パッチを沢山用意してくれてます。でもUserの使い方次第では、互換パッチ同士の競合不具合が起きてしまいます。
プレイヤの出自を変更するStart Me Upと、入植者の悪態を是正するImmersive Generic Dialoguesの互換パッチです。
SSは00024AE8
のDialogで、Vault-Tec社員の会話制御。プレイヤがVaultに辿り付いたことへの言及なので、Start Me Upの初期設定次第ではカットしてるんだと思います。
このロードオーダーだと、Immersive Generic Dialoguesとの互換パッチにより、Start Me Upの変更が潰されています。
正直、互換パッチを公開してくれるだけでもありがたいと思うので、こういった互換パッチ同士の競合対策は、Userの守備範囲ですね。複合状態まで面倒見たパッチ作ったら、とんでもない量になると思うので・・・
ちなみにこのレコードに限っては、ロードオーダーの入れ替えで解消可能です。でも他は見てないです、すいません。Dialog関連MODは全部まとめて互換パッチ自作したので、作者さん提供の互換パッチを使ってないんです。
以上、おしまいです!