FO4Edit使い方シリーズの最後になります。
過去3回では使わなかった機能をいくつか紹介します。勿論全部は網羅してないです。(便利機能なのに僕が知らなくて抜けてること、一杯あると思います!)
CKが無いとMOD作成も変更も出来ない、的な風潮があるような気がします(?)。けれどもその実、僕のような専業Userのローカル環境対応だったり、セルやスクリプトを伴わないMODの場合だと、FO4Editの方が使い勝手がいい局面が多いです。特に複数のプラグインを一気に読んで、競合状態を俯瞰しつつ同時に複数変更可能なのは、FO4Editならではの利便性です。慣れや好みもあるで、ちょっと目線にバイアス入ってるのは否定できないかもですが・・・
基本的な使い方は別記事にて。
多重競合で潰れているレコードを抽出
同一レコードが2回以上変更された場合、つまり複数のプラグインによって発生する、
マスター>1度目変更>・・・(n度目変更)>最終レコード
のような多重競合状態は、MODを入れてる限り必ず発生します。マスターと最終レコードの間に挟まった「1度目変更~n度目変更」のレコードは、勿論最終レコードにより全部潰されます。
重要なレコードが潰されている場合は、引き上げて互換パッチを作る必要があります。この時に便利な機能がApply Filter to show Conflict Losersです。
このフィルタを適用すると「間に挟まって潰されたレコード(赤文字の競合Loser)を持つオブジェクト」のみを表示します。ひと目で多重競合の確認ができる訳です。
夜を暗くするDarker Nightsと、霧を削除するFogOutを併用した場合を例に。この2つは共にWeatherを変更する為、競合します。このロードオーダーだと、DarkerNightsの変更が全て潰されています。
FogOutは霧の距離を遠くする変更をしています(緑文字のレコード)。けれどもあくまで霧除去MODですから、ライトや空のレイヤー等、色に関するレコードはバニラの値をそのまま使用しています。
したがって、DarkerNightによる「夜を暗くする」という1度目変更(赤文字のレコード)は、最終レコードであるFogOutにより全て潰されています(バニラに戻る)。ロードオーダーを入れ替えた場合は、今度は霧除去効果が潰されます。
フィルタすることで、こういった競合を簡単に 発見できます。目視で1個づつの確認だと結構キツいです。
この2つのMODは、Darker NightsをCopy as override intoして新規espを作り、FogOutのFog Distanceのレコードを上書きしたパッチを作成することで共存可能になります。
MODクリーニング
別にFO4Editは「クリーニングツール」ではなく、機能の一環として実装されているだけです。
マスターファイルと同一のレコードで上書きしているITM(Identical To Master) editを削除します。残していると無用の競合要因になる場合があります(環境次第)。
具体的にどういうことか?を簡単に。
Vaultスーツに対してITM editをしているespがあったとします。見ての通りの緑なので、完全一致してます。何も変更していません。
マスターファイルと同じレコードを書いてるだけなら問題無くない?
と思うかもしれません。実際、この状態で使っても問題無いです。けれども、この「同じレコードを書いてるだけ」という行為が問題になる場合があります。
Better Item SortingのSTRINGS版を使っていた場合を例に。ITM editによりBISのタグが潰されてしまいました。ソートが機能しなくなります。
このように、ITM editにはMODによる変更を元に戻してしまうリスクが有ります。これはDirty Editsと呼ばれており、クリーニングを行うことで自動削除してくれます。
例外として、意図的にITM editを作っていることもある(つまり"Dirty"ではない)ので注意です。滅多に無い為、該当する場合はDescriptionに作者さんが記載してくれてると思います。
MODの仕様上、どうしてもバニラに戻していないと不具合の起こる項目がある場合、意図的にバニラに書き戻す目的でITM editを作っている場合等が考えられます。
Skyrimと同じだと思いますので、詳細や手順はそちらを参考にしてください。
その他の機能
他にも便利機能が色々あります。
Build Reachable Info
3番目の記事で扱った、Build Reference Infoに似た機能です。こちらはReference Infoを構築した上で、紐付けの無い孤立状態(Referenced Byが0)のオブジェクトに取り消し線をつけます。 基本的にゲーム内で使用できないオブジェクトになります。
ただし使用には注意が必要です。
例えばレシピの場合、レシピとワークベンチは直接紐付けされていません。双方に共通のKeywordが設定され、それでリンクされてる状態です。
よってReferenced Byは0である為、Build Reachable Infoはレシピを孤立オブジェクトと判断し、取り消し線をつけてしまいます。
これを未使用と思って全部削除してしまったら・・・えらいことになります。適用対象には注意が必要です。
自作MOD用の、Default OutfitやLeveled Listの設定忘れ等の抽出には便利だと思います。
Build Reference Infoにも増して時間かかります。僕の環境だと3分半位かかりました(プラグイン数は100個ちょいあたり)。
Change FormID
FormIDを変更します。既存のオブジェクトのFormIDを勝手に変更すると不具合の原因になります。自分で作った新規オブジェクトの並びが気になる場合等にでも。
Change Referencing Records
大量の置換をする際に便利です。説明するより例え話した方が早そうです。
ma_VaultSuitのKeywordつける筈の大量の服の中に、
間違えてma_Railroad_ClothingArmorを付けてしまったのが相当数在る!
探し出してKeywordを正しく付け直さねばならない!!
こんな状況のロールプレイでお願いします。
1個づつ大量のArmorを目視で追って間違えた服を探し出し、さらに1個づつKeywordを付け直していくのは・・・非常にめんどくさいです。
そんな時にこそお役立ち。
間違えた方のKeywordである"ma_Railroad_ClothingArmor"に、Change Referencing Recordsを使います。
置換するFormIDを聞かれるので、ここに"ma_VaultSuit"のFormIDを入力。
"ma_Railroad_ClothingArmor"を使っているオブジェクトがリストアップされます。ここでチェックをいれたオブジェクトは、全て"ma_VaultSuit"にKeywordが置換されます。
Apply Script
スクリプトを適用して、様々なEditができます。SkyrimだとマージやLOD作成等が定番。
Add
未設定のまっさらなオブジェクトやNode(カテゴリ)を新設します。
※僕は適当なオブジェクトからコピーして叩き台にするので、まず使わないのですが・・・みんな同じですかね?
Mark Modified
選択したオブジェクト単体もしくはプラグイン全体を「変更済(Modified)」状態にします。
CombatCheatArmor.espにMark Modifiedを適用しました。すると、全てのレコードが「変更済」を示す太字になりました。
何に使うのか?といいますと、FO4Editを含むxEditのセーブ仕様の話になります(自分で検証してないので伝聞になってしまいますが)。
変更の発生しなかったレコードに関しては、安全策としてインタプリタ(表現が正しくないかもですが、ファイルをFO4Editの作業領域に展開する的意味で察してください)を通す前のファイルデータを、そのまま書き戻すみたいです。その為、全てのレコードを改めてファイルに落とし直したい場合は(バージョンアップに伴う新解釈対応とか?)、Mark Modifiedを付けることで全てのレコードが変更済扱いとなり、これが可能になります。
したがってファイルサイズやCRCが変わってしまう可能性が有り、むやみに使うとLOOTでクリーニング情報とかうまく検出してくれなくなるかも?です。
Hidden
任意のプラグインを非表示にします。
こんな風に3つのプラグインが並んでいる場合に、
Fallout4.esmにHiddenすれば、他の2つだけの表示となります。
小ネタ(?)
小ネタにすらなってないかもしれませんが(汗)
その1
上のタブからでも"Copy as override into"や、"Copy as new record into"ができます。
その2
Ctrlを押しながらカーソルを当てると、下線が表示されてマウスカーソルが変わります(SSではカーソル撮れませんでした)。
この状態でクリックすると、参照先のオブジェクトに飛べます。
その3
明転(色付き)状態でF2を押すと、すぐにEditできます。
その4
Ctrl+sでセーブした時点では、まだテンポラリにセーブされただけで、プラグイン自体は元のままです。この状態でゲーム起動しても変更が反映されません。
FO4Editを終了すると、プラグインに上書きされます。
こんなところでFO4Editチュートリアル編(僕的にはそのつもりですが・・・)、終了です!
項目別のより詳細な使い方は、こちらを参考に。